<たなばた>
「七夕の準備をしようね」って闇医者に言われて、おりがみでつくった短冊をもらった。
ぐれちゃんと二人でたくさん願いごとを書いた。
『みんながびょうきもけがもしないでおいしいおちゃがまいにちのめますように』
『やみいしゃがすごいじょうずなまほうつかいになれますように』
『ぐれちゃんがおねえさんとずっといっしょにいられますように』
『いっぱいなかのにたのしいことがありますように』
他にもたくさん書いたけど。
「なあ、マモルちゃん。これ、何て書いてあるんだ?」
みんなは俺のおねがいごとが読めないみたいだった。
「むずかしい字なんていっこも使わなかったのになぁ……」
でも、しかたないから一つずつ読んであげた。
中野がきたら、もう一回ぜんぶ読まなくちゃって思った。
おしまい
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